睡眠時無呼吸症候群を放置すると、高血圧・心筋梗塞・脳卒中など命に関わる病気のリスクが大幅に高まります。また、脳の酸欠状態により認知症発症リスクも上昇します。
睡眠時無呼吸症候群患者は健常者に比べて交通事故リスクが約2.4~7倍に増加。午前8時・午後2時・午後4時など眠気がピークに達する時間帯は特に危険です。
睡眠時無呼吸症候群は正確な診断と治療でリスクを大きく減らすことができます。「いつか」ではなく「今」診てもらうべき病気です。
【睡眠中の症状】
大きないびきをかくと言われたことがある
呼吸がしばしば止まっていると言われたことがある
夜中に何度も目が覚める
【日中の症状】
運転中に強い眠気に襲われることが多い
しっかり寝たはずなのに眠気がとれない
【身体的な症状】
血圧が高く、薬を飲んでも血圧が下がりにくい
メタボリックシンドロームの傾向を指摘された
肥満体型である
首が太いと感じる
【仕事中の症状】
集中力や記憶力が低下している
倦怠感があり、体がだるくて仕事がはかどらない
当院は内科・呼吸器内科・アレルギー科を専門とする地域密着方のクリニックです。
日々の診療の中で、「もしかすると睡眠が関係しているのでは」と感じる患者さんに数多く出会ってきました。
見逃されがちな”眠りの不調”が人生を左右することもあります。
睡眠を診ることは、全身の健康を守ること。
睡眠を変えることは、人生を変えることなのです。
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治療でどんな効果があるの?
睡眠の質を整えることで
毎日の暮らしがぐっと快適に!
日中の眠気の改善
居眠り運転による事故のリスク低下や、
だるさ・倦怠感の改善
高血圧の数値改善
高血圧患者の60%以上の血圧が改善され、血管の病気のリスクが大幅に軽減
集中力・記憶力の向上
治療を始めた方の75%以上の
「集中力や記憶力の改善」を確認
CASE 1「薬が効かない高血圧」の原因が、
まさかの“いびき”だったお話
引っ越しをきっかけとして、高血圧の治療を続けるために当院を受診された40代男性の症例です。
この方は30代から約15年間、高血圧の薬を飲み続けてこられました。
これまでに何度か薬の種類を調整しながら治療を続けてきたそうですが、
受診されたときも3種類の薬を服用されており、それでも血圧は上が150~160mmHgの間を行ったり来たりしている状態でした。
「これ以上薬を増やしたくない」との思いから、食事に気をつけたり、運動を取り入れたりと
生活習慣の改善にも取り組んでおられましたが、なかなか血圧が下がらず悩まれていました。
まずは薬の見直しや調整を行いながら様子を見ていたところ、
再診時に同席されていた奥様からいびきや無呼吸の指摘があり、終夜ポリグラフ検査を実施。
その結果「重度の睡眠時無呼吸症候群」と診断されました。
CPAP療法を導入後、長年複数の薬剤を使用してもコントロールが難しかった血圧が、
1ヶ月以内に大幅に低下(診察時の血圧計測では112/73mmHg)し、3ヶ月後には降圧薬の数も減らすことが可能となりました。
加えて、日中の眠気や集中力の改善なども確認されています。
この経験を通して「薬が効かない高血圧」の裏には睡眠時無呼吸症候群が隠れており、
CPAP治療はただ眠気を取るだけでなく、高血圧や心臓や血管の病気のリスクを下げる効果もある
大切な治療であるということを改めて再認識しました。
なかなか血圧が下がらない場合には、“眠り”に目を向けてみることも大切かもしれません。
CASE 2 日中の強い眠気の原因が、
睡眠時無呼吸症候群だった症例
50代のトラック運転手の男性の症例です。
「日中の強い眠気と集中力の低下」を主訴に当院を受診されました。
長年、不規則な勤務と長距離運転を続けており、最近では運転中に強い眠気が突然襲うこともあったとのことで、高速道路でハンドル操作を間違えて事故になりそうな危ないこともあったようです。
肥満傾向があり、血圧もやや高めで、ご家族からは「夜間のいびきや無呼吸」があるとの情報も得られました。
これらは睡眠時無呼吸症候群の典型的なサインです。
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に何度も呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。
呼吸が止まるたびに体が酸素不足になり、溺れているような状態になります。
そのせいで脳も十分に休まらず、これが毎晩続くため、日中に強い眠気や集中力の低下、体がだるくなったりします。
自宅で実施可能な簡易睡眠検査を行ったところ、1時間あたり58回の無呼吸・低呼吸が確認され、最低酸素飽和度は76%と著しく低下していました。
通常、起きている時に90%以下まで酸素飽和度が下がると非常に息苦しくなります。
この慢性的な酸素不足が体に大きな負担をかけている状態でした。
これは明らかに重度の睡眠時無呼吸症候群であり、日常生活や運転業務にも大きな影響を与える状態と判断されました。
ご本人と相談のうえ、CPAPを導入。最初は抵抗があるようでしたが、事故を起こすわけにはいかないと頑張って続けてくれました。
治療開始から2週間ほどで、日中の強い眠気はほとんどなくなり、運転中の集中力も続くようになり、運転中の危険を感じることもなくなりました。
血圧も落ち着き、体調が良くなったことで運動や減量にも前向きになり、1年で6kgの減量に成功しました。
もし治療をしていなかったら大きな事故を起こしていた可能性もあり、CPAP治療が、命を守ってくれたと言えるかもしれません。
このようなケースは決して珍しいものではありませんが、無呼吸が原因であることに気づかないことが多いため、
早期に発見して対応することが非常に重要であると再認識させられたケースでした。
CASE 3 不眠症の原因が、
睡眠時無呼吸症候群だった症例
「夜中に3、4回起きてしまう」「ぐっすり眠れない」といった不眠症状を訴えて受診された60代男性の症例です。
夜間に何度も目が覚めてしまい、ぐっすり眠った感じがしない…
こうした「夜間の覚醒」は、年齢を重ねた方やストレスの多い方に見られることが多く、一見すると加齢や精神的な要因による不眠症状に見えるかもしれません。
しかし実は、こうした覚醒の背景に、睡眠時無呼吸症候群が関係しているケースが少なくありません。
この男性の場合、睡眠をとるための時間は十分あるにもかかわらず何度も目が覚めてしまい、結局ぐっすり睡眠をとることができないため、朝の疲労感が取れず、昼間も眠気があることで、日常生活に支障をきたしていました。
診察を進める中で、いくつかの特徴的な症状が見つかりました。
・大きないびきをかくことがある
・寝ている間に息苦しくなって目が覚めることがある
・夜中に何度もトイレに行く
・日中に強い眠気や注意力の低下がみられる
そこで自宅で睡眠検査を実施したところ、1時間に約48回も呼吸が止まっていることが確認されました。さらに血中の酸素濃度が75%まで下がることもあり、重度の睡眠時無呼吸症候群と診断されました。
診断後、CPAPを導入。
治療によって睡眠中の無呼吸が抑えられ、夜間に何度も目が覚めることが減り、眠りの質が向上。
朝の疲れが取れ、日中の強い眠気や注意力の低下も改善しました。
さらに、夜中にトイレに起きる回数も減り、睡眠が妨げられることが少なくなったため、より良い睡眠サイクルを取り戻すことができました。
夜間頻回に目が覚めるのは加齢だけが原因とは限りません。
「眠りの浅さ」の背景に呼吸の問題が隠れていることも。
夜間の覚醒を「年齢のせい」「眠りが浅い体質」とあきらめてしまう方も少なくありません。
しかし、睡眠時無呼吸症候群のように、原因が明確で治療可能な病気である場合もあります。
ぐっすり眠れない、夜中に何度も目が覚めてしまう。
こうした症状にお困りの方は、一度“呼吸の質”にも目を向けてみることが大切です。
CASE 4 物忘れの原因が、
睡眠時無呼吸症候群だった症例
高血圧で通院中、最近物忘れが増えた気がするという訴えをされた60代男性の症例です。
「最近、物忘れが増えた気がする…」
物忘れには、実は「眠りの質」が関係していることもあります。
年齢を重ねると、少しずつ物忘れが増えてくるのは自然なことです。
けれど、「なんだか最近、記憶があやふや」「判断に時間がかかる」といった変化が目立ってきたら、それは軽度認知障害という状態かもしれません。
軽度認知障害とは、日常生活には支障がないものの、記憶力や判断力の低下が見られる段階のこと。
放っておくと将来的に認知症へ進行する可能性もあるため、注意が必要です。
最近の研究では、認知症の背景に「眠りの質の悪さ」が関わっているケースがあることも分かってきました。
診察を進める中で、この男性にはいくつかの特徴的な症状が見つかりました。
・昼間の眠気や集中力の低下
・家族から「いびきが大きい」「寝ているとき息をしていない」と言われた
・朝起きたときに頭痛がする
・体がだるい
こうした症状から、睡眠検査をしたところ重度の睡眠時無呼吸症候群の診断となりました。
無呼吸があると、寝ている間に脳への酸素供給が減ったり、深い眠りが取れなくなったりします。
この状態が続くと、記憶を整理・定着させる力が弱まり、ものごとを考えたり、覚えたりする認知機能に影響を及ぼすことがわかってきました。
この方にはCPAP療法を始めてもらったところ、昼間の眠気が減り、周りの家族さんからみても認知機能の改善がみられてきました。
睡眠時無呼吸症候群を抱える方は、そうでない方に比べて認知症に進行するリスクが高いという報告があります。
深い眠りが少なくなる、脳が慢性的に酸素不足になる、注意力や判断力が落ちやすくなることなどが原因と考えられます。
「質の悪い睡眠」が、脳の健康にも影響を与えているかもしれません。
物忘れを感じたとき、すぐに「年のせい」と片づけず、眠りの状態にも注目してみることが大切です。
もしかすると、眠りの改善によって記憶力や集中力が回復する可能性もあります。
放置された「眠りの不調」は、健康にも人生にも大きな影響を与えかねません。
正しい診断が、人生を変える第一歩になることもあります。まずはお気軽にご相談ください。
あなたの「スッキリとした目覚めと日常」を私たちと一緒に取り戻しましょう!